「迷宮」 – 忘れないために、描き続ける。
必然と偶然
塩で路を描くこと。それは私の記憶をたどる旅のようなものです。大切な思い出も時と共に薄れてしまいますが、私は消えてしまう前にしっかりと繋ぎ止めておきたいのです。
私は床にゴールのような場所、思い出の場所を定め、そこから描きはじめます。描いている時は、そのゴールに今の自分が繋がっていて欲しいと願いながら描き進めますが、塩の路は途中で意図しない方向に曲がったり、途切れることもあります。私の心の動きや体調だけでなく、床のくぼみや湿度に影響を受けながらかたち作られていくからです。
必然と偶然が絡まり合いながら生み出されていくプロセスを、私はとても大切にしています。
メイキング映像 「迷宮」の制作の様子