届かない想い。
「空蝉」 - 行き先のない階段
途切れて登ることができない階段。何処まで続いているのか分からないトンネル。これらに共通するのは”届きそうで、届かない”、”見えそうで、見えない”。そんな感覚でしょうか。多くの大切な記憶は時と共に変化し、そして薄れていきます。しかし、写真や文章では残すことができない記憶の核心を、私はもう一度見てみたい、感じてみたいのです。
ブロック状の塩を積み上げた「空蝉」や、何百もの塩の小舟がメキシコ特有のスコールで溶けゆく作品「記憶の泉」などの立体的な作品は、塩を焼き固めてつくります。