
今月23日(日)から、金沢で個展を開催します。2018年に木蓮の花を描いた、金沢市石引にある「がんとむきあう会・元ちゃんハウス」で、9周年を記念した展覧会です。
私はかつて、妻を乳がんで亡くしました。その経験から、患者さんやご家族が気軽に相談できる場所の大切さを強く感じています。この個展は、そんな元ちゃんハウスの存在を、より多くの方に知っていただきたいという思いから生まれました。
初日には、アクセサリーづくりのワークショップやアーティストトークも行います。ぜひお立ち寄りください。

元ちゃんハウス9周年記念展 – 山本基 個展「彩りの記憶」
Colors of Memory – Traces Through Time
会期:2025年 11月23日(日)~ 12月14日(日)
会場:ギャラリー・ケアリング(金沢)
石川県金沢市石引4-4-10 越屋メディカルケアビル2F(元ちゃんハウス 2F)Google Map
11:00 〜 17:00(最終日15:00まで)
会期中無休 / 入場無料
※ 専用駐車場はありません。お車でお越しの方は、近隣の有料駐車場などをご利用ください。
関連イベント③ 「海に還るプロジェクト」
・日時: 12月14日(日) 15:00 〜 15:30
会場に集まってくださった皆さんとともに塩の作品を崩し、その塩を少しずつお持ち帰りいただきます。後日、思い思いの場所から海へ還していただく、参加型のイベントです。
どなたでもご参加いただけますので、ぜひお立ち寄りください。
海に還るプロジェクトとは
主催:認定NPO法人がんとむきあう会 元ちゃんハウス
協力:NPOひいなアクション/奥能登国際芸術祭実行委員会/記憶のかけらプロジェクト実行委員会/金沢大学能登学舎里山里海SDGsマイスター
助成:アーツカウンシル金沢(金沢市文化芸術活動能登復興支援事業)











2018年、私はこの場所で紫色の木蓮を塩で描きました。乳がんで亡くなった妻との記憶を、思い出の花に託した作品です。
あれから年月を重ね、この秋、元ちゃんハウスは9周年を迎え、私自身もまた、妻を見送ってから9年の時を重ねました。塩で描かれた作品は生まれ、会期の終わりには鑑賞者とともに壊し、その塩を海へ還していきます。その自然の営みは、人の歩みや記憶の移ろいとも静かに重なっているように感じています。
私は妻の治療を支えるなかで、患者さんやご家族が安心して気持ちを話せる場所が、どれほど心の支えになるかを知りました。そうした経験があったからこそ、この元ちゃんハウスが担っている役割を、今あらためて深く感じています
本展では、時間の流れと元ちゃんハウスの歩みを重ねる塩のインスタレーションを中心に、新作の平面作品や、描線がゆっくりと広がり静かに消えていくデジタルドローイングの映像も展示しています。
会期初日には、能登での作品崩壊から生まれた「記憶のかけらプロジェクト」も開催します。能登半島地震で倒れた奥能登国際芸術祭の作品に使われていた塩を透明レジンに閉じ込め、小さなアクセサリーとして身につけてもらうワークショップです。一度途切れた作品の時間を、別のかたちでそっとつなぐ試みです。また、被災した建物から救出された「能登瓦」に描いた作品も展示しています。
本展は、がん患者さんやご家族、そして元ちゃんハウスを支える仲間への感謝と応援の思いを込めて企画しました。ご希望があれば作品販売も行いますが、その一部は元ちゃんハウスの活動支援と、能登半島地震で倒壊した奥能登国際芸術祭作品の修復のために役立てます。
このギャラリーで過ごす時間が、移ろいの中にあるささやかな光と彩りを感じていただけるひとときとなれば幸いです。
山本基
関連イベント① 記憶のかけらプロジェクト 「アクセサリーづくり・ワークショップ」《終了しました》
・日時: 11月23日(日) 11:00 〜 15:00
・場所: 元ちゃんハウス 4F
・体験料:1,000円
能登半島地震被災時に、七尾以北6市町にお住まいの方は無料ご招待
・申込み方法:予約制 → 《予約フォーム》
一般予約開始 11/9 / 当日枠も若干ありますが予約優先です
※ 記憶のかけらプロジェクトとは
※ 助成:アーツカウンシル金沢(金沢市文化芸術活動能登復興支援事業)

関連イベント② アーティストトーク 「忘れないためにつくり続ける」《終了しました》
・日時: 11月23日(日) 15:30 〜 16:30
・場所: 元ちゃんハウス 3F(参加無料 / 予約不要)
※ 専用駐車場はありません。お車でお越しの方は、近隣の有料駐車場などをご利用ください。
2018年に元ちゃんハウスで展示した作品 → 変容する家 – 東アジア文化都市2018 金沢