開館記念展で塩を用いた作品を出品してから15年の月日が流れました。アーティストとしてあの瞬間に立ち会えたことは、私にとって大きな一歩となりました。
10月11日に美術館を長年サポートしてくださった企業の皆さんに対する感謝の集いが開催されたのですが、その記念品の制作をさせて頂きました。この節目に作ったのは36個に分割できる作品で、美術館スタッフ、アーティスト、そして協賛企業の協力によって15年という歳月を乗り越えてきたこと、そして金沢に大きなムーブメントを生み出したことを表しています。泡のように見える小さなセルは15年間の出来事や思い出です。そのひとつひとつは来館者の笑顔であり、スタッフの皆さんが交わした言葉であり、ボランティアの方々が流した汗だと思いながら描きました。
私が実際に描いた渦はひとつですし、もう二度と36個の作品が集まることはないかも知れませんが、たまには目の前にはない残りの35個を思い起こして欲しいと願っています。
ちなみに下地はオレンジ色は美術館のコーポレイトカラーで「21」の数字を描き、画材は盛り上がるタイプのアクリル絵具を用いています。
金沢21世紀美術館 開館15周年 サスティンメンバー感謝の集い 記念式典
2019年10月11日(金)
会場:金沢21世紀美術館
作品名:「36の」 アクリル絵具、木、アクリルボックス / 2019年
分割額装寸法:225×165×50mm(全体寸法:1320×960mm)
作品名:「迷宮」 インスタレーション 塩
開館記念展「21世紀の出会い – 共鳴、ここ・から」2004年